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卵子に直接精子を注入する「顕微授精」

顕微授精は体外受精の一種で、卵子の中に直接精子を注入し人工的に授精させる方法です。通常の体外受精では卵子に精子を振りかけることで受精させますが、精子の量や運動率が著しく良くない場合に選択されます。

◆精子に重度の障害がある場合に役立つ治療法

人工授精や通常の体外受精は、男性側の精子の質に問題のないことが前提となります。しかし精子の数がきわめて少ない重度の乏精子症や、運動率が悪い精子無力症の場合、シャーレの中で卵子に精液を振りかけてもうまく受精しない可能性があります。
そこで顕微鏡を使って卵子の中に精子を注入する「顕微授精」が役立てられています。卵胞細胞内精子注入法(ICSI)とも呼ばれます。

通常の体外受精では1個の卵子に対して約10万個もの精子を培養します。するとその中の1つの精子が自然と卵子と結合して受精となりますが、精子の数が非常に少ないなどの場合は、1つの卵子に1つの精子を直接注入したほうが確実だということです。

うまく受精卵が細胞分裂すれば、それを女性の子宮内に胚移植する点は普通の体外受精と同じです。またいくつかの受精卵を得られる場合は、次回以降のために凍結保存ができる点も共通しています。

顕微授精の成功率は約40パーセントと、人工授精、体外受精よりも高い数値となっています。ただし卵子の老化は避けられないため、40歳以上になると10パーセントにまで低下するとされています。

◆顕微授精の流れ

方法としては、一般的な体外受精と途中経過は一緒です。排卵誘発剤などで複数の卵子を十分に成熟させ、自然排卵ではなく採卵によって卵子を得ます。自然排卵では基本的に1個の卵子しか得られず、成功率を上げるためには人工的に複数個を採取したほうが望ましいからです。

そして採卵と同時に男性の精子も採取し、遠心分離機などで質の良い精子を集めます。ただし乏精子症の場合はふるいにかけず、なるべく多くの精子を活用します。

卵子と精子を得られたら、卵子を保護している「顆粒膜細胞」を薬で除去し、ガラス管を使って精子を注入します。受精が確認できたら、しばらく培養させて数日後に子宮に移植する、という流れです。

費用は通常の体外受精とほぼ同じ50万前後で、扱う卵子の数によって数万円が上乗せされる程度です。また自治体の補助金や助成金を活用できます。

このように精子に何らかの問題があっても、顕微授精の技術で妊娠できる可能性があります。ただしすべての体外受精にいえることですが、受精卵を移植した後、子宮内でうまく成長していけるかどうかが大きなポイントになります。
そのため治療後は妊娠を継続させるためのホルモン剤の投与などがおこなわれます。

⇒顕微授精(ICSI)とは?方法や費用、受精率、妊娠する確率まとめ - こそだてハック

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