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生殖機能に影響を与える「環境ホルモン」とは

ここ半世紀ほどの間、世界中の野生生物の性機能に異常が見られるようになったことをご存知ですか?たとえばメスに男性器があったり、オスの生殖能力が大きく下がったり…といった現象です。

この原因として注目されたのが「環境ホルモン」と呼ばれる物質です。人間への影響はまだ完全に解明されていないのですが、多少の害を与えている可能性は十分に考えられます。

厄介な環境ホルモンとは?

環境ホルモンとは、生物の体内でホルモンのように作用する化学物質のことです。代表的なものにダイオキシンやDDT、ポリ塩化ビフェニール(PCB)などがあります。

私たちの体では、内分泌腺というところでホルモンが作られ、それが血中に直接入ってそれぞれ作用する細胞へと運ばれていきます。性ホルモンでいうと、男性ならテストステロン、女性ならエストロゲンやプロゲステロンなどが多く分泌されています。

ところが一部の化学物質は、ホルモンと似た働きをしたり、ホルモンの作用を妨害したりすることがあるのです。これを「内分泌かく乱作用」といいます。

ホルモンの分泌は脳から指令が出されるのですが、たとえば環境ホルモンが悪さをすると、指令が過剰になったり、逆に不足したりします。その結果、生殖機能などに異常が現れるようになるのです。

環境ホルモンから身を守るためには?

現在、環境ホルモンとして疑われている物質は70種類にも及びます。今のところ、おもに魚類や貝類への影響が認められていますが、人間を含む哺乳類への作用はまだ確認されていません。

しかし人間においても、男性の精子数が減っているという研究結果が出ており、環境ホルモンの影響が疑われています。少量で明らかな影響が出るほどの因果関係はないにせよ、積もりつもればやはり大きなものとなる可能性は十分にあるでしょう。
先進国で不妊症が急増しているのは、女性の晩婚化のほかに、こういった化学物質の影響も関わっているのかもしれません。

現代の日本で生きる以上、環境ホルモンから完全に逃れることは難しいのですが、心配な人は日常の中でなるべく化学物質を避けることを意識するといいでしょう。たとえば、添加物がいっぱいの食べ物は避ける、化学物質でできた容器に入った食べ物を電子レンジで温めない、プラスチックよりもなるべくガラスや陶器でできた食器を、といったことです。

とはいえあまりに気にしすぎてしまうと、逆にそれがストレスになってしまいます。あくまで自分にできる範囲で、ナチュラルな生活を心がけるといいでしょう。

ちなみに環境ホルモン論争で槍玉に上げられているものの1つに、カップ麺の容器があります。容器に使われている「ポリスチレン」が熱湯に触れることで、環境ホルモンとなる有害物質が溶け出るのではないか、というものです。
これに対してカップ麺業界は激しく反論していますが、現在でも意見が分裂しているようです。

また学校給食で使われているポリカーボネート素材の食器類にも、環境ホルモンの疑惑が飛び出し、最近では違う素材のものに変えるところも増えているようです。神経質になりすぎるとキリがなくなってしまいますが、特に未来ある子どもの体からはなるべく化学物質を遠ざけてあげたほうがいいかもしれませんね。

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