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広がる不育症支援の輪

妊娠ができない、で悩む不妊症と違って子供はできるものの出産ができないということが悩みになる不育症。流産や死産をともなうことから、なかなかオープンにすることに抵抗を持つ人が多く、認知されにくいといった現状があるようです。

◆行政も続々と支援に乗り出す

昨今の深刻な少子化を受け、続々と各自治体が不育症の支援に乗り出しています。岡山県真庭市が2010年に保険外適用の不育症治療に30万円までの助成金を出すことを決定したのを筆頭に、助成金の支給はもちろんのこと、相談窓口を設置するなど様々な対策がはじまりました。最近では保険適用の治療であっても助成金を支給しだす自治体もあり、不育症治療の支援体制はどんどんと手厚くなりつつあるようです。

また東京都では不妊・不育ホットラインを開設し、不育症で悩む女性はもちろん、「不育症かも」と悩んでいる女性に対して治療についての情報提供や必要に応じてカウンセラーの紹介なども行っています。東京都の場合は電話相談のみですが、千葉県の福祉センターや富山県では面接による相談も実施されており、実施に相談者の様子を専門家が見ることでより適切な支援が行えるようです。

このように不育症治療に助成金を支給している自治体は2015年4月現在で100以上にものぼっています。しかし助成金などの支援を行っていても、実際に治療を受けている人にまで情報が伝わっていないのも事実。そのためもし不育症の治療を始める場合は、その前に一度お住いの自治体に相談してみてください。助成金についてだけでなく、精神的なサポートについての情報も得られるはずですので、治療をすすめていくうえで心強い存在となってくれます。

◆民間の支援団体も

行政が支援に乗り出す一方で、民間の支援団体もどんどんと活動を活発化させています。全国に支部を持つ、不育症支援団体の「不育症そだってねっと」は全国各地で不育症に関するセミナーを開催するだけでなく、不育症に関する知識をまとめた冊子を発行するなど不育症の認知に積極的です。またその冊子を女子高校に送るなど、若い世代にも理解や認知を広めることにも積極的で、今後の活動が大いに注目されています。

この活動はメディアでも複数取り上げられ、朝日新聞や読売新聞など、大手新聞会社からも取材を受けています。同時に金銭的負担の大きさから治療を諦めてしまう人を少しでも減らしたいという理念のもと、さらなる行政の助成金拡大を求めているようです。

ですが行政や民間団体など、支援の輪が着実に広がる一方でまだ一般的に不育症はあまり理解が進んでいないのが実情です。せっかく信頼し、不育症を打ち明けたとしても「母親の生活態度に問題があるんじゃない?」「赤ちゃん、かわいそうね」など心無い言葉をかけられることも多く、より一層の認知と理解を広めることが今後の課題となります。また不妊症にもいえることなのですが、患者同士であっても治療が順調であったり妊娠の経過が良好だと嫉妬や羨望から心無い言葉をかける人も少なくないようです。そのため不育症に悩む患者を取り巻く環境は、まだまだ過酷であるといっても過言ではないでしょう。

まだまだ問題は山積みであることに違いはありませんが、夫婦協力し、支えあって治療を乗り切ることが大切です。ある調査では不育症は適切な治療を受ければ80パーセント以上の人が出産できる、といわれています。治療を前向きに続けるためにも、ぜひ行政の助成金や相談窓口などを積極的に利用してくださいね。

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