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不育症をとりまく問題

不育症の大きな特徴でもある自然妊娠はするものの流産や死産を繰り返す、という症状。実際に妊娠し、胎児の死、というものを何度も経験することからとくに女性に大きな影響を及ぼすことが問題視されています。

◆不育症で悩む女性はうつになりやすい

不育症を発症している女性は、一般的な女性に比べやはり精神的にダメージを受けるためうつや不安障害などを発症する確率が高くなる傾向にあります。さらに流産は自分のせいだ、という自責の念にかられることから妊娠すら諦めてしまう女性も多いのだとか。

ある報告によると不育症外来を初診した患者の約8パーセントが不安障害のような症状、約6パーセントがうつに近い症状が出ていたともあります。思いのほか低い印象をもちますが、やはりこの数字は氷山の一角にすぎません。実際は流産や死産の悲しみを押し殺し、なかったように明るくふるまう女性が圧倒的に多く、スタッフや医師が気付いていない場合も多いと推測されています。そのため、実際に不安障害やうつを発症している人はさらにいると考えて間違いないでしょう。

この事実からやはり女性にとって流産や死産、という現実は受け入れがたいものであることがうかがえます。不安障害やうつなど、深刻な精神的疾患に陥る前にいかに夫や専門家などがケアを行えるかが今後の課題となっていくようです。

◆病院の環境やスタッフの対応も問題視されている

自責の念にかられてうつなどを発症する女性がいる一方で、流産や死産の際の病院の環境やスタッフの対応も問題視されています。流産、死産を経験した女性に調査を行ったところ、病院の環境やスタッフの対応について「よくなかった」とこたえたのは約4割にものぼりました。声をあげて泣くなど、悲しみを発散する適切な場所が提供されなかった、スタッフの言葉に嫌な思いをしたという意見があり、配慮の足りなさが目立ちます。

スタッフの嫌な対応としては「よくあること」といわれたり「しっかり話を聞いてくれなかった」などがあげられ、こちらもよりきめ細やかな配慮が必要となってくるようです。確かに日々産婦人科で多くの妊婦を扱っているスタッフにとっては流産や死産、ということは珍しくないのかもしれません。しかし妊婦本人にとっては、妊娠した喜びから悲しみへと一気に突き落とされる瞬間でもあるのです。産婦人科の慢性的な人手不足が問題となっていますが、そうした余裕のなさからくる配慮不足は不育症の治療を行う夫婦にとって大きな問題といえるでしょう。

そのため最近ではそうした配慮のなさを問題視し、積極的に精神的なケアを行うような体制が整えられつつあります。胎児との死別に対する悲しみや喪失感を癒すグリーフケアを取り入れたり、カウンセラーを配置するなど少しずつですが精神的なケアに向けたシステム作りが始められました。

ほかにも不育症の検査の結果を聞いて「今後子供は望めないのかもしれない」と絶望や悲しみにさいなまれてしまう場合や治療がうまくいかなかったときの喪失感など、不育症を取り巻く精神的なダメージは数多く存在します。そうしたダメージはストレスとなり、段々と妊娠することすら怖くなってしまう人も多いのだそうです。そのため、不育症で悩む女性がいかに妊娠や治療に前向きに取り組めるようにサポートするのか、そのシステム作りが急務となるでしょう。

しかし不育症で悩む女性をいちばんに支えてあげられるのは、やはりもっとも身近な家族である夫なのではないでしょうか。もちろん夫自身、何度も子供を失っているわけですから精神的に疲弊していないか、といえばしているはず。ですが逆をいえば、子供を失った悲しみを共有できるのも夫しかいないのです。まずは流産や死産という結果を受け止め、2人でしっかりと悲しむことが大切です。つらい病気ではありますが、ぜひ2人で協力し乗り切ってください。

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